コラム

異常気象の常態化と司法になしうること

毎日暑い日が続いており、これほど暑いと体調の維持管理も難しさを感じます。今年の7月の平均気温は記録を取り始めてから126年間で最も暑い夏になったようです。地球単位でみた温室効果ガスの排出量は一向に削減されずパリ協定で定められた産業革命以前から1.5度の気温上昇の枠はこのままのペースで行けば避けることは難しそうです。日本においての再生可能エネルギーの活用は遅々としたもどかしい状況が続いており、地球の温暖化というか沸騰化は避けられない状況になっているようです。

以前テレビの脳トレクイズで、絵が何十秒間の間に少しづつ変化していく、「アハ現象」のクイズが流行しました。少しづつ変化していくと中々気が付きませんが、温暖化も「アハ現象」の最たるものと感じます。

以前、環境法を勉強した際に、将来世代が最大の弱者であると習いました。次の世代に気が付いた時には手遅れとならないように、何らかの仕組み作りが必要な時代と感じます。個人としてゼロエミッションに努力できることから取り組んでいきたいと思います。

地球規模の温暖化の防止に向けた司法の役割については、現時点の日本においては役割を見出しがたく発展途上の分野かと思いますが、他国の裁判所では画期的な判決なども出されているようです。例えばオランダでは「国は2020年までに1990年比25%削減すべき」と求めた裁判が最高裁で確定したようです(https://kikonet.org/content/17002)
法律家は、エネルギーの基礎研究など直接的な対策には関与はできませんが、法律家としてなしうることは微力ながらは存在すると思いますので、法律家としてなしうることを積極的に学んでいきたいと考えています。

文責:かなやま総合法律事務所 金山 耕平