先日、改正地球温暖化対策推進法が国会で可決されました。
その内容は、既に報道や環境省のウェブサイトで公表されている通りですが、
もっとも重要な点は、法律に2050年までに二酸化炭素の排出ゼロを実現することを明記したことです(改正法2条の2)。
そして、その実現の為に、改正法は、国や地方公共団体に対して具体施策の制定を義務付け、企業にも二酸化炭素の排出量の公表を通じて施策の推進を促すなど、具体的な道筋をつけています。また、この法律は、国民が温室効果ガスの排出の削減に努めるようにも求めています。
私は、この改正を喜ばしく思うとともに、漸く制定されたか、もっと早期にできなかったものかと残念にも感じています。
といいますのも、日本の技術力をもってすれば、政治の旗振りさえしっかっりしていれば早期から具体的な数値目標を定めて環境分野において世界をリードするような役割もできていたのではないかと思うからです。残念ながら日本は以前は環境先進国と言われていましたが、温暖化対策においては諸外国に後れを取っていると言われています。
最近は毎年毎年異常気象と言われており異常気象が当たり前になりつつあり、洪水や台風などほんの20~30年前では考えられなかった災害が頻発したり、氷河がどんどん融解し、海面が上昇していると報告されています。
私は現在40代半ばですが、明らかに夏が熱くなり冬が寒くなくなったとこんな短期間ですが肌感覚で感じています。
依然栄えた文明が忽然と姿を消すのは気候変動が原因であると言われており、この地球規模の気候変動は人類の存続すら危うくするのではと危惧しています。
脳トレのクイズ番組で、「アハ現象」という絵が少しずつ変わっていくと人がなかなか気づかないクイズが出題されますが、気候変動についても気が付いたら取り返しがつかない事態になる危険性は大いにあると思います。
最大の弱者と言われている将来世代により良い環境を引き継ぐためにも、今後この法律の改正も相まって日本が世界をリードするような役割を果たしていくことを願っています。
文責:かなやま総合法律事務所 弁護士 金山 耕平